井戸水は本当に安全?~安心して利用するために知っておきたいこと~

 日本では、水道水に頼らず井戸水を利用しているご家庭や施設も少なくありません。井戸水は地下水を直接くみ上げるため、水道料金がかからず、自然の恵みを感じられるのが大きな魅力です。
 しかし、その一方で「本当に安全なの?」と不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
 結論から言うと、井戸水を毎日安心して利用するためには「定期的な水質検査」が欠かせません。なぜなら、見た目がきれいでも 有害物質が混入している可能性があるからです。
 今回は、井戸水に潜むリスクや水質検査の重要性について解説します。
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1. 井戸水に潜むリスクとは?
 井戸水は地下水をくみ上げて使用しますが、この地下水は 地表の環境の影響を直接受ける ため、知らないうちに汚染されていることがあります。例えば、以下のような要因によって井戸水の安全性が損なわれる可能性があります。

✅ 細菌やウイルスによる汚染
 雨水や地表の水が地下に浸透する過程で、大腸菌、ノロウイルス、レジオネラ菌などの微生物が混入する ことがあります。
 これらの細菌を含む水を飲むと、食中毒や感染症 のリスクが高まります。

✅ 硝酸態窒素・亜硝酸態窒素の混入
 農業が盛んな地域では、化学肥料や家畜の排泄物が土壌に浸透し、地下水が 硝酸態窒素や亜硝酸態窒素 に汚染されることがあります。
 特に 乳幼児 が摂取すると、メトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群) を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

✅ 重金属の混入
 地域によっては、地下の鉱物層に由来する ヒ素、鉛、クロム などの 重金属 が含まれることがあります。
 これらを 長期間摂取 すると、発がんリスクや健康障害の原因になることが報告されています。
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2. 井戸水の水質検査はどのくらいの頻度で行うべき?
 厚生労働省では、井戸水を飲用に使用する場合、1年に1回以上の水質検査 を推奨しています。ただし、以下のような場合には 速やかに検査を行うこと をおすすめします。
 •大雨や台風の後 (地表の汚染が地下水に流れ込む可能性があるため)
 •井戸の周辺環境が変化したとき (工事・農地開発などによる影響)
 •井戸水の味やにおいが変わったとき
 •井戸を改修したとき

 定期的な検査を行うことで水質の変化を早期に発見し、健康リスクを未然に防ぐことができます。毎日の生活に欠かせない大切な水だからこそ、安全を最優先に考えることが重要ではないでしょうか。
 井戸水をご利用の方は、ぜひ定期的な水質検査を実施して、安全な水を守っていただければと思います。

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